パキスタンの洪水被災者に対する車いす支援  タイ外務省が、APCD財団、WAFCATおよびDENSOグループと連携して、2010年8月パキスタンの洪水によって被災された障害者支援に貢献できたことを大変うれしく思っています。  タイ外務省の貢献は、被害に遭われた国に生きる方々への人道的な支援を目的としており、タイ社会が連携して積極的に協力したことを下支えするものに過ぎません。2010年8月から10月にかけて、タイからパキスタンへ77万ドルに相当する財政支援、医療機器、食料品支給が行われました。さらには、2万トンものタイ米がパキスタンに送られることになりました。  こうした連携活動が具体的に実を結び、パキスタンで被災された皆様に少しでもお役に立てればと思っています。タイ外務省は、APCD財団と密接に連携して、今後も被災された国々への人道支援に協力していきます。 タイ外務大臣 カシット ピロム (仮訳) 今回の連携に寄せて  グローバル企業として社会から信頼・共感されるために、どのように行動すべきか。私たちは社会貢献活動をCSRの重点取り組み分野と位置づけ、「人づくり」と「環境共生」を中心とする様々な活動にチャレンジしています。  まず、事業活動を展開する地域社会に貢献するための「ローカルプログラム」、次に国・地域の課題解決に貢献する「リージョナル・プログラム」、そして、環境・貧困・災害といった地球規模の課題克服に貢献する「グローバル・プログラム」があります。  しかし、これら多様なプログラムを、他の団体との協力なしに成し遂げることはできません。とくに、政府、NGOセクターと積極的に協働し、ローカルからグローバルな問題に対応していきたいと考えています。まさに、今回のパキスタンへの車いす支援は、これからの新しい支援のあり方を実現できたのではないでしょうか。 デンソー・インターナショナル・アジア 副社長 末松 正夫 DENSOとは?  デンソーは、先進的な自動車技術、システム、製品を世界の主要な自動車製造会社すべてに提供しているトップレベルの自動車部品サプライヤーです。世界の34の国と地域にある200以上のグループ会社で事業を展開し、12万人以上の社員が、営業・設計・生産などあらゆる部門で、その地域に適した製品づくりを行っています。  私たちデンソーは品質においてわずかな妥協もせず、常に時流に先んじた技術開発を行ってきました。そのため私たちは、「環境」「安全」「快適」「利便」の4つの分野を中心に新技術・新製品の研究や開発を行い、人とクルマが調和して共存する「先進的なクルマ社会」の実現に貢献しています。 今回の連携に寄せて  私自身、車いす利用者として、車いすが生活の中でいかに大切なものか、常に実感しております。どこへ 行くにも何をするにも、車いすはいつも私と一緒です。車、バス、電車、飛行機、どんな移動手段を使うときでも、 車いすは、いつも私の視界にあります。  車いすと言っても、それは単に車輪のついた椅子ではありません。車いす利用者が車いすを選ぶことは、 ちょうど私たちが足にあった靴を、体に合った服を選ぶことと同じなのです。  私たちWAFCATは、車いすを必要としているすべての方が、自分に合った車いすを持つべきだと考えています。 車いすを提供することは、すべての人々のための社会を実現するための鍵となるでしょう。  私たちは、車いすなくして笑顔はありません。車いすこそわが人生です。 スポンタム モンコルサワディ 理事長、アジア車いす交流センター(タイ) WAFCATとは?  アジア車いす交流センターWheelchairs And Friendship Center of Asia(WAFCAワフカ)は、(株)デンソーの創立50周年記念事業として1999年4月に設立されたNPO法人です。WAFCAはアジアの障がい者に対する車いすの普及活動を通じて、障がい者が社会で自立できる環境作りを行うとともに、スポーツ・教育分野における支援や交流を通じて、バリアフリー社会の実現に寄与することを活動目的としています。  WAFCAの活動は設立母体である(株)デンソーが初めて海外生産拠点を設けたタイからスタートし、カウンターパートであるWAFCAT(WAFCA Thailand)と手を携えて、タイの車いす生産工場“タイ・ウィール”を設立から支援。そこで生産された車いすを買い取り、タイを中心とするアジア地域の障がい児を対象に、現在までに約2000台の車いすを贈りました。   また、障がい児への奨学金支援、農村の学校のバリアフリー化支援など教育支援にも力を注いでいます。 今回の連携に寄せて  2010年8月27日、南アジア障害フォーラムとパキスタン障害者団体連合会から「洪水被災者に対する車いす支援」のレターを受け取りました。  そこで、タイ外務省、在タイ・パキスタン大使館、デンソー、アジア車いす交流センタータイランド、 タイ国際航空、 AJU自立の家・アジア障害者支援プロジェクトと連携して、人道支援の活動を実行しました。このセクターを超えた連携活動により、タイからパキスタンへ30台の車いすを届けることができました。  パートナーに心から感謝の意をお伝えするとともに、今後もさらに人道支援に関する連携活動を続けていく所存です。 テート・ブンナク 理事長、APCD理事会 APCDとは?  アジア太平洋障害者センター(APCD)は、第1次アジア太平洋障害者の十年の成果としてタイのバンコクに設立された障害と開発に関する地域センターです。APCD財団とJICAの連携を元に、APCDはアジア太平洋の30カ国以上と連携して活動しています。  APCDは、第2次アジア太平洋障害者の十年(2003年-2012年)の活動指針である「びわこミレニアムフレームワーク」を通じて、国連アジア太平洋経済社会委員会から認知されています。 今回の連携に寄せて  車いす支援のプロジェクトを始めてもう7年目になりますが、今ではパキスタンも多くの事が変わったと思います。それは、障害者当事者が頑張るからです。  車いすについては手から手に渡すのが基本と考えています。私たちがアジアの人たちへ渡す車いすは まとめてタイに120台ほど一年に一度送ります。  これからもアジアの障害を持った方々へ身の丈に合った支援をできる限りしたいと思っています。 社会福祉法人AJU自立の家 アジア障害者支援プロジェクト 事務局長 小倉 國夫 感謝の意を表して  パキスタン政府および国民を代表して、そして私自身から、洪水被害者への車いす30台の寄贈に対し、心より感謝の意をお伝えいたします。APCDの熱意を元に行われた一連の活動は、被災地域に生きる障害者のニーズに応えるものです。  APCD理事会のテート理事長、タイ外務省、イスラマバードのタイ大使館、デンソー、タイ国際航空、そして今回の連携活動に関わったすべての関係者に対し、厚く御礼申し上げます。  皆様のご親切なお気持ちはこれからも語り継がれていくことでしょう。 スハル マモード 特命全権大使 在タイ国パキスタン大使館 (仮訳) Process of disaster assistance (wheelchairs from thailand to pakistan) 洪水が発生した当時、APCDミッションチームはパキスタンに滞在中でした。その後、APCDの連携団体から被災者支援の依頼がありました。 AJU自立の家アジア障害者支援プロジェクトおよびAPCDの協力によって、デンソーおよびWAFCATの支援による30台の車いすが無事にタイ国際航空貨物に届けられました。 連携を確認するセレモニーが行われ、 タイ外務省、在パキスタン・タイ大使館、 デンソー、WAFCAT、タイ国際航空、 AJU自立の家アジア障害者支援プロジェクトとAPCDの代表者が参加しました。 30台の車いすの到着後、在パキスタン・タイ大使館が車いすを受け取り、大使館に運び入れました。 南アジア障害フォーラムおよびパキスタン障害者団体連合会が、ネットワークを駆使して車いすを配布しました。 車いすの受取人および在パキスタン・タイ大使館は、車いす配布の3ヵ月後、今次連携の関係者によって訪問を受けました。 デンソーの財政支援を受けて、今次の連携活動に関するレポートが完成しました。 パキスタンの車いす受取人へのインタビュー  今まで車いすがありませんでした。家にずっといるだけでした。洪水で家が流されるなんて思いもしませんでした。誰も助けに来てくれませんでした。寄贈された車いすによって家から出ることがでました。  車いすによって私の人生は大きく変わりました。まだ支援を必要としている障害者がいます。そうした障害者のためにグループを立ち上げたいと考えています。 ワヒード カン 車いす受取人 (仮訳)  洪水によって14日間軍隊エリアで過ごしました。車いすがなかったので松葉杖を利用しました。今は車いすを使っています。しかし、今となってはすべて無くなってしまいました。涙がこみ上げてきます。 カン ナワズ 車いす受取人 (仮訳)  何年も前に父と母が他界しました。残された3人の妹のためにも働かねばなりません。松葉杖と補助具を使いつつ、他者に頼ってきました。人生にうんざりしていました。車いすを得て、移動できるようになり、気持ちが楽になりました。今では薬局に勤めており、家族の唯一の収入源として生計を立てています。 ファヤズ カン 車いす受取人  洪水により被災した私の学校には50人の生徒が通っています。政府や国際機関から支援を受けました。 その後、障害当事者団体STEPの応援を支えに頑張ってきました。この地域で私が障害者と連携して活動した最初の経験となりました。  すべてを失いました。300戸の家が破壊されました。すべての住居について再建の見通しがあるわけでは ありません。 タファイル アフメッド Brain Maker 学校 (仮訳) 感謝の意を表して  南アジア障害フォーラム(SADF)およびパキスタン障害者団体連合会(PDPO)はネットワークと連携活動を信じています。APCDのファシリテーションにより、洪水被災地の障害者支援が行われました。タイ国の皆様の支援に感謝しています。今次の連携活動は、パキスタン政府、タイ政府、そしてデンソー・タイ国際航空など様々な関係者を巻き込んだよい実践といえます。  SADFおよびPDPOは今回の連携活動を一つの支援と捉えるのではなく、幅広いレベルで啓発につながる機会と受けとめています。例えば、タイ国際航空の雑誌に掲載されたことが一つの例です。  こうした実践は今後もアジア太平洋地域でモデルとなりえるでしょう。 ムハンマド アティフ シェイク 代表 南アジア障害フォーラム グーラム・ナビ・ニザマニ CEO パキスタン障害者団体連合会 SADF & PDPOとは?  南アジア障害フォーラム(SADF)は、政府、APCD、国連、国内・国際NGOと密接に連携しながら南アジアで活動する障害当事者団体のネットワークです。SADFは障害当事者団体のネットワークおよび役割の強化・促進を通じて障害者支援につながる国際協力を促しています。  パキスタン障害者団体連合会(PDPO)は、1981年にDPIパキスタンとして設立された、障害者の人権を守る障害種別を問わない自助団体です。自ら声を発しつつ、障害者の社会参加と平等を求めて活動しています。PDPOは様々な国際組織と連携しています。 メディアによる紹介 Yomiuri shimbun アジア版 28ページ 2010年10月6日 パキスタンの洪水被災地域へタイ国際航空を通じて車いすを寄贈  タイ国際航空は、APCDと連携して、パキスタンの洪水により被災された障害者支援のため、バンコクからイスラマバードまで30台の車いすの輸送支援を行いました。タイ外務省および在タイ・パキスタン大使館も連携して、車いす支援活動に参加しました。  写真:テート・ブンナク氏(APCD理事長、左から4番目)、スハル・マモード氏(在タイ・パキスタン大使、左から3番目)、チャバノンド・インタラコマラヤスット氏(右から4番目、タイ外務省秘書官)、ピチャイ・チュンガヌワッド氏(右から3番目、タイ国際航空貨物担当理事)、末松正夫氏(右、COO兼デンソーインターナショナルアジア副社長) (仮訳) Designed by Persons with disAbilities Asia-Pacific Development Center on Disability (APCD Foundation) 255 Rajvithi Rd., Rajthevi, Bangkok 10400 Thailand Tel : 66-(0)-2354-7505-8 Fax: 66-(0)-2354-7507 Url : www.apcdfoundation.org